品質管理 用語辞典

製造業・品質管理でよく使われる用語を、現場で使える実務解説付きで解説します。

あ行

異常原因(いじょうげんいん)

Assignable Cause / Special Cause
定義: 工程のばらつきの原因のうち、特定・除去可能な要因。設備故障、材料ロットの異常、作業ミスなど。
偶然原因(避けられない微小変動)と対比される概念。異常原因を見つけて除去し、工程を統計的管理状態に戻すことが品質管理の基本行動です。管理図上でUCL/LCLを超えた点や、連・傾向などの異常パターンで検出します。
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か行

改善活動(かいぜんかつどう)

Improvement Activities / Kaizen
定義: 現在の品質・効率・安全のレベルをさらに高めるための組織的な活動。PDCAサイクルを基本とする。
品質管理が「現状維持」なら、改善活動は「水準引き上げ」。小集団活動(QCサークル)、提案制度、5S活動なども改善活動の一形態。重要なのは、データに基づく改善と効果の検証です。
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管理図(かんりず)

Control Chart
定義: 工程のデータを時系列にプロットし、管理限界線(UCL/LCL)と比較して工程の安定性を監視するQC七つ道具の一つ。
中心線(CL)、上方管理限界線(UCL)、下方管理限界線(LCL)の3本の線で構成。管理限界線を超えた点だけでなく、連(同じ側に7点以上連続)や傾向(連続する6点以上の上昇/下降)なども異常シグナルとして扱います。
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工程能力指数(こうていのうりょくしすう)

Process Capability Index (Cp / Cpk)
定義: 工程が規格をどの程度余裕を持って満たしているかを示す統計指標。Cpk ≧ 1.33で十分安定と判断される。
Cpはばらつきと規格幅の比率、Cpkは中心のずれも考慮した指標。Cpk < 1.00は規格外発生リスクあり。「問題ない」を感覚ではなく数値で語るためのツールです。
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さ行

三現主義(さんげんしゅぎ)

Three Actuals Principle (Genba, Genbutsu, Genjitsu)
定義: 問題が起きたとき、現場に行き、現物を見て、現実を知るという行動原則。
机上の分析だけでは本当の原因は分かりません。現場の照明が暗い、作業スペースが狭い——そうした物理的な制約は、現場に行って初めて気づきます。品質トラブル時だけでなく、改善活動の基本姿勢です。
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是正処置(ぜせいしょち)

Corrective Action
定義: 発生した不適合の原因を除去し、再発を防止するための処置。ISO規格の必須要求事項。
応急処置(目の前の問題を止める)→原因分析(なぜ起きたか)→是正処置(原因を除去する)→有効性確認(効果があったか)の順で進めます。「注意します」「気をつけます」は是正処置とは認められません。仕組みを変えることが必要です。
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た行

特性要因図(とくせいよういんず)

Cause-and-Effect Diagram / Fishbone Diagram / Ishikawa Diagram
定義: 問題(特性)と原因の関係を魚の骨のような形で体系的に整理するQC七つ道具の一つ。
右端に問題を書き、4M(Man/Machine/Material/Method)を大骨として原因を深掘りします。チームでブレインストーミングしながら作成するのが効果的。個人の思い込みを排除し、多角的な視点で原因を洗い出せます。
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な行

内部監査(ないぶかんさ)

Internal Audit
定義: 組織内部の人が自組織のマネジメントシステムを点検し、改善機会を見つけるための体系的活動。
「あら探し」ではなく組織を良くするためのツール。計画→準備→実施→報告→フォローアップの5ステップで進めます。ISO規格は年1回以上の実施を一般的に求めます。監査員の独立性と力量の確保が重要です。
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は行

ばらつき

Variation / Dispersion
定義: 同じ条件で製造しても生じる製品間の差異。品質管理の核心的な管理対象。
偶然原因(避けられない微小変動)と異常原因(特定・除去可能)の2種に分類されます。ばらつきを小さくし、安定した状態(統計的管理状態)を維持することが品質管理の基本目標です。ヒストグラムや管理図で可視化します。
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標準化(ひょうじゅんか)

Standardization
定義: 作業手順や品質基準を文書化し、「誰がやっても同じ結果が出せる状態」を作ること。
人を縛るためではなく、改善の基準線を作るためのもの。標準がなければ「何を変えたか」「効果があったか」を判断できません。標準は改善のスタートラインです。
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品質管理(ひんしつかんり)

Quality Control (QC)
定義: 製品が要求品質を満たすように、工程を計画・管理し、問題を予防・是正する活動の総称。
品質管理(QC)は「品質を作り込む」活動、品質保証(QA)は「品質を約束する」仕組み。品質コストの観点では、予防・評価に投資して失敗コストを減らすことが合理的です。
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数字・英字

4M(よんエム)

4M (Man, Machine, Material, Method)
定義: 製造の品質に影響する4つの要素。Man(人)、Machine(機械)、Material(材料)、Method(方法)。
品質問題の多くは4Mの「変化」が引き金。変更点管理(4M変動管理)で、変化発生時に品質影響を評価・管理する仕組みが重要です。特性要因図の大骨としても使われます。
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5S(ごエス)

5S (Seiri, Seiton, Seiso, Seiketsu, Shitsuke)
定義: 整理・整頓・清掃・清潔・躾の5つの頭文字。製造現場の基盤を整えるための活動。
「掃除」ではなく「ムダの可視化」が本質。整理で不要物を除去し、整頓で動線を最適化し、清掃で異常を発見しやすい状態を作る。5Sは品質改善・安全確保・効率向上すべての土台です。
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FMEA(エフエムイーエー)

Failure Mode and Effects Analysis
定義: 潜在的な故障モードとその影響を事前に分析し、リスクの高い項目から優先的に対策する予防的手法。
各工程で「何が壊れうるか」を列挙し、影響度(S)×発生頻度(O)×検出難易度(D)=RPN(リスク優先数)でスコアリング。事後対応ではなく予防が品質管理の理想形。自動車業界(IATF16949)で特に重視されます。
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HACCP(ハサップ)

Hazard Analysis and Critical Control Point
定義: 食品の安全性を確保するために、危害要因を分析し重要管理点を定めて監視する方式。
7原則12手順で構成。2021年6月から日本の全食品事業者に制度化。食品業界だけでなく「危害を分析→重点管理→監視」の考え方は製造業全般に応用可能です。
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ISO 9001

Quality Management System (QMS) Standard
定義: 品質マネジメントシステム(QMS)の国際規格。顧客満足の継続的向上のための要求事項を規定。
2015年版からリスクベース思考が明確に導入。認証取得が目的ではなく、顧客満足を高める仕組みを組織に根付かせることが本来の価値。世界で100万以上の組織が認証取得済。
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PDCAサイクル

Plan-Do-Check-Act Cycle
定義: Plan(計画)→Do(実行)→Check(確認)→Act(処置)の4段階を繰り返す継続的改善の枠組み。
多くの現場でPlanとDoだけで回り「やりっぱなし」になりがち。Checkで効果を数値で検証し、Actで標準化または計画修正につなげることが重要。ISO規格の構造もこのPDCAに基づいています。
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QCD

Quality, Cost, Delivery
定義: 品質(Quality)・コスト(Cost)・納期(Delivery)の頭文字。製造業経営の根幹を成す3つの柱。
トレードオフに見えますが、品質を犠牲にしたコスト削減はクレーム対応で結局高くつきます。まず品質を安定させ、その上でC・Dを最適化するのが鉄則です。
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QC七つ道具(きゅーしーななつどうぐ)

Seven QC Tools
定義: パレート図、特性要因図、ヒストグラム、管理図、散布図、チェックシート、層別の7つの品質管理基本ツール。
データに基づいて問題を可視化し、原因を分析し、対策効果を検証するための道具箱。特別な統計ソフトがなくても使える実用性の高さが特長。現場レベルの品質改善に不可欠です。
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